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パイオニア久々のピュア2chアンプである。英国エアースタジオに実機を持ち込んでチューニングを行っており、同社の力の入れようがわかる。2ラインナップの新製品のうち、A-A9は上位モデルであり、ダブルトロイダルトランスにMC/MMフォノ回路まで搭載する実力派だ。
本機の特徴である電源およびサーキットのハイスピード化について説明しよう。これは、無帰還型電源と低ESR(等価直流抵抗)ケミコンによる高速電源である。整流回路はショットキーバリアダイオードで、出力段にはLAPTを片チャンネルにつき2個使用している。これは小信号トランジスタを76個集積したもので、高域特性に優れる。小音量時はA級で動き、AB級動作で最大が70W+70Wという定格である。シャーシの剛体化では、ソリッドアンダーベースや亜鉛ダイキャストの脚部に注目したい。こうした手法は、オーディオの経験豊富なパイオニアならではのものだ。
実際聴いてみると、余裕たっぷりのドライブ力に嬉しくなる。スピーカー負荷の変化にしなやかにレスポンスする瞬発力をもち、消え入るような微小音域からクライマックスまで、どこにも継ぎ目がない滑らかさがすばらしい。A級、AB級の切り変わりもスムーズそのものだ。左右対象ツインモノラル構造の良さは、優れたS/Nとセパレーションに集約されよう。ラトル/ベルリンフィルの『惑星』は、眼前にくっきりステレオイメージが描かれ、音楽に呑みこまれるようだ。音楽の制作現場で鍛えた、本物の音のするアンプである。(林正儀)
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